気になるハウスメーカーがあるけど、そこで決めていいかわからない。できればコスパの良い家が欲しい。と思うことはありませんか?
この記事では、快適でコスパの良い家を建ててくれるハウスメーカーを、しっかり比較してから選ぶための手順を紹介しています。
家づくり初期の方はぜひ参考にしてみてください!
コスパの良いハウスメーカーの選び方:7つの手順を解説
- 手順①必要な性能値(断熱、気密、耐震)を知る
- 手順②そのハウスメーカーの性能値を知る
- 手順③坪単価ではなく、だいたいでいいので新築の総額を知る
- 手順④性能値と総額がわかったら、コスパが良いか確認する
- 手順⑤パッシブ設計をしてくれるか確認する
- 手順⑥メンテナンスコストが低いか確認する
- 手順⑦メモにとり、次のハウスメーカーを検討する(②から繰り返し)
それぞれ解説します。
手順①必要な性能値(断熱、気密、耐震)を知る
ここでは超基本的な、家の性能を解説します。車やパソコンと違って、家は性能がわかりづらいですよね。しかしここが最も重要なのでしっかりおさえておきましょう!
断熱性能の基準は、『Ua値が0.46以下である事』
- Ua値は低いほど性能が高いです。
- 断熱性能が高い(=Ua値が低い)とどうなるかというと、光熱費が下がります。断熱性能が低いといくら暖房しても熱が逃げるし、いくら冷房しても熱が入ってくると言うわけです。
- 断熱性能が高いと、家じゅうが一定の温度になるので非常に快適です。トイレや脱衣室もリビングと同じ温度だと本当に快適です。
- Ua値0.46という数字は僕が住んでいる場所(宮城県)の場合の基準なので、その他の地域(特にもっと寒いところ)の場合は注意が必要です。
気密性能の基準は、『C値が1.0以下である事』
- C値も低いほど性能が高いです。
- 気密性能が高い(=C値が低い)とどうなるかというと、光熱費が下がります。気密性能が低いといくら暖房、冷房しても、隙間があったらそこから空気が入れ替わっちゃいますよね。
- 気密性能が低いと隙間から湿気が壁内に入って、家を腐らせてしまうことになりますし、木材がしめっぽいとシロアリが寄ってきます。
耐震性能の基準は、『耐震等級3である事』
- 耐震等級は1、2、3があり、3が最も強いです。
- 法律的には耐震等級1でも良いことになってますが、これは『命を守る』、つまり倒壊しない基準であり家が壊れない基準ではないのです。家の資産価値を維持するためには、耐震等級3にしましょう。
- また耐震等級2については、2016年の熊本地震で耐震等級2の家が倒壊した事例があり十分ではないと言われています。
手順②そのハウスメーカーの性能値を知る
次に、今あなたが気になっているハウスメーカーの性能値を調べます。もし営業の方がついている段階なら直接聞いてみるのがいいでしょう。webで調べるのももちろんOKです。
「そもそも気になる会社がないよ」という方には、探し方の記事も書いていますのでそちらも見てみてください!
質問フォーマット
- 断熱性能Ua値はいくつですか?
- 気密性能C値はいくつですか?
- 耐震等級はいくつですか?
注意点もいくつかあります
- モデルハウスの性能値ではなく、そのハウスメーカーの標準で建てた場合の性能値を聞く
- 数値で教えてもらう
モデルハウスはかなり背伸びして造られている可能性があり、注意が必要です。また「数値で教えてもらう」というのは当たり前のように感じるかもしれませんが、中には「断熱は国の最高等級なので大丈夫ですよ!」というように曖昧に答える人もいますが、だまされないようにしましょう。
「気密性能C値は測ってないのでわかりません」と言われた場合
- 「C値を測っている事」はハウスメーカー選びの絶対条件!潔く候補から外す
- C値は実際に家を建ててみて測定しないとわからない
- 2020年現在、C値を測っている会社の方が圧倒的に少ない
それほど気密性能は重要なものです。逆に言うと、C値を測定している会社から選べばいいので選択肢が減って選びやすいというものですね!
手順③坪単価ではなく、だいたいでいいので新築の総額を知る
性能がわかったら次は建築コストです。坪単価は、会社によって算出方法が違いすぎるので参考にしない方が賢明です。過去の実績で同程度の大きさの家の総額がいくらだったかを確認する方が参考になります。
建築コストを確認する際のポイント
- 坪単価ではなく総額で確認する
- 希望する家の大きさと大体合う例を確認する
- 建物本体だけの価格でなく、カーテン、エアコン、照明、テレビアンテナまで含めた価格を確認する
もしまだハウスメーカーと話していない段階なら、web上の口コミを調べましょう。自分がほしい家の大きさがわからない場合は、とりあえず4人家族なら30~35坪くらいで考えておけばいいと思います。
手順④性能値と総額がわかったら、コスパが良いか確認する
どちらも2500万円ですが、コスパが良いのは下のハウスメーカーですよね。同じ建築コストをかけていても、光熱費と快適性(家じゅう一定の温度)が天と地ほど違うと思います。
いくつかの会社を比較すれば、コスパがいいかがわかってくると思います。まだ1社も検討していないという方のために、僕の例を紹介しておきますね。
コスパの基準(筆者の家の場合)
コスパ良い方だと思います。ちなみにカーテン、エアコン、照明、テレビアンテナまで含めた価格です。(もちろん土地代、ローン諸経費や登記費用などは別途かかりますよ!)
筆者の家は耐震等級2ですが(後悔しています!)、耐震等級は3にしたいところです。「3にするといくら増額になるの?」と思うかもしれませんが、耐震等級は間取り(というか壁の位置)や窓の位置を気にすれば大した金額アップなく3にできるので、ハウスメーカーの選定段階では気にする必要はないです。
手順⑤パッシブ設計をしてくれるか確認する
パッシブ設計をしてくれるとどうなるかというと、光熱費が下がります。ここまで見てきた性能値とは違い数字では表せない項目です。
パッシブ設計は考え方(設計の指針と言ってもいいかも)なので、基本的には設計者が配慮してくれるかどうかの話です。大したコストアップなく光熱費が抑えられるようになるのでぜひ取り入れたい考え方です。
パッシブ設計とは
- 冬は太陽の熱をうまく取り入れること、また夏は逆にさえぎること
- 具体的には、隣地条件を読み取って家の配置/窓の大きさ/間取りを検討する、ひさしやシェードの導入を検討するといった地味な部分ですが設計者の技量で大きく差が出るところ
- パッシブ設計の良いところは、導入するのに大したコストがかからない点
- 建物の配置や間取りに大きく左右されるので、施主もある程度意識する必要がある
パッシブ設計しているか確認する方法
最初にハウスメーカーを選ぶ段階では、その会社がパッシブ設計に配慮した家づくりをしてくれるかどうかだけはできれば確認しておいた方が良いと思います。
『パッシブ設計はしてますか?』
と聞けば、
『間取り設計時に検討する事ですから、そのとき考えましょうね』
となると思いますが、これでは確認になりません。出来れば施工事例を見せてもらって、どこがどうパッシブ設計なのかを聞くと良いと思います。
手順⑥メンテナンスコストが低いか確認する
ここまで読んで、ランニングコスト=光熱費を低くするポイントはおわかり頂けたと思いますが、忘れがちなのがメンテナンスコストです。
代表的なメンテナンスコストを書き出してみます。(周期と費用はざっくりの目安です)
- 屋根の再塗装 15年ごと 70万円
- 外壁の再塗装 15年ごと 100万円
- バルコニー防水貼替え 15年ごと 50万円
これらは以下のような仕様にする事で、建築コストが上がったとしてもトータルで安くする事が出来ます。
- 屋根の再塗装 15年ごと 70万円 →ガルバリウムにして周期を30年にする
- 外壁の再塗装 15年ごと 100万円 →ガルバリウムにして周期を30年にする
- バルコニー防水貼替え 15年ごと 50万円 →バルコニーはなくす(乾燥機を導入)
一般的には屋根はスレート瓦、外壁は窯業系サイディングが標準というハウスメーカーが多いと思いますが、ガルバリウムに変更する事を強くお勧めしますので是非確認してみてください。
手順⑦メモにとり、次のハウスメーカーを検討する(②から繰り返し)
②~⑥の手順で確認したことをメモに取ったら、次に気になるメーカーのコスパを確認していきましょう。数社分のメモが集まればしっかり比較できるようになると思います。
メモのフォーマットを作ったので、スマホのメモアプリなどにコピペして使ってみてください。
メモのフォーマット
断熱性能Ua値:
気密性能C値:
耐震等級:
総額: ※坪数:
パッシブ設計:
屋根材の標準: ※ガルバへ変更するオプション費用:
外壁材の標準: ※ガルバへ変更するオプション費用:
その他メモ:
筆者の家の場合のメモ
断熱性能Ua値:必ず0.46以下(+50万で0.34以下)
気密性能C値:1以下を保障。全棟気密測定実施。
耐震等級:2以上(間取り設計時に相談)
総額:約2400万 ※坪数:31坪
パッシブ設計:間取り設計時に検討するとの事
屋根材の標準:ガルバリウム ※ガルバへ変更するオプション費用:0円
外壁材の標準:窯業系サイディング ※ガルバへ変更するオプション費用:約20万
その他メモ:床下エアコン導入実績多数あり
筆者の家は超快適です
僕の場合、
という家を新築して住んでみてどうなったかをお伝えします。
- 家じゅう同じ温度で超快適
- 朝気持ちよく起きれる
- 早く家に帰りたくなる
と大満足です!もう賃貸には戻れません。ただ、後悔もあります。
- 耐震等級が2なので、若干不安
- パッシブ設計がいまいちなので、もっと光熱費が抑えられたかも
こんな感じ。2つとも、間取り設計時に気を付けていれば実現できたはずなのでもったいなかったと思っています…。
こんな満足な家を、僕の場合は2400万円で建てられました!(もちろん土地代、ローン諸経費や登記費用などは除く)コスパは良い方だと思います。
あなたはどんな家を建てますか?
- デザイン優先の家
- 誰もがしってるハウスメーカーの家
- 建売で建物はいまいちだけど立地が良い家
- そして、コスパが良くて快適な家…
人それぞれ考え方はあると思いますが、せっかく家を建てるなら快適な家をできるだけ安く手に入れたいというのが一般的な意見と思います。
厳しい言い方ですが、見た目だけの家を建てると、寒くて暑くて後悔するはずなのです。
今回紹介した手順が、ハウスメーカー選びのお役に立てば幸いです。
「性能やコスパの確認方法はわかったけど、どうやって探したらいいかわからないよ!」という方には、探し方の記事も書いていますのでチェックしてみてくださいね。
記事のまとめ
- 手順①必要な性能値(断熱、気密、耐震)を知る
断熱性能の基準は、『Ua値が0.46以下である事』
気密性能の基準は、『C値が1.0以下である事』
耐震性能の基準は、『耐震等級3である事』 - 手順②そのハウスメーカーの性能値を知る
- 手順③坪単価ではなく、だいたいでいいので新築の総額を知る
- 手順④性能値と総額がわかったら、コスパが良いか確認する
筆者の場合、
31坪/Ua値0.46/C値0.4/耐震等級2 で、2400万円 - 手順⑤パッシブ設計をしてくれるか確認する
パッシブ設計とは、
冬は太陽の熱をうまく取り入れること
夏は逆にさえぎること - 手順⑥メンテナンスコストが低いか確認する
- 手順⑦メモにとり、次のハウスメーカーを検討する(②から繰り返し)
以上
コメント